ABS車の警告灯が点灯した原因と修理代。



ABSの警告灯が点灯した平成２１年式の軽自動車 Ｌ５７５Ｓという型式の車を診た話です。

車検でメーターテスターにかけると、２０km/h以降　メーター表示が０km/hになる。

ＡＢＳの警告灯は点灯するもスピードメーターは正常。

診断機でＡＢＳのデータモニターをすると、左フロント車速が０km/hのままでした。

整備では車速センサーや配線に問題は無かったのですが異音かガタの為、左フロント ハブベアリングの交換をしていました。

整備前はメーター表示も警告灯も正常だったのでこの作業が原因と考えます。

しかし、締め付けや組み付けが悪いとかではなさそうです。

よくみると、ＡＢＳ付の車ですがシャフトにセンサローターが付いてません。

ハブベアリングを交換する際にシャフトを抜く作業をしますが、わざわざセンサローターを外すことはしないはずです。

以前、違う車種でベアリングを頼んだ時に部品と注意書きが入っていたのを思い出しました。

センサーローター内蔵式なので注意してください。と、たしか識別の仕方まで書いていました。

今回のベアリングを聞いてみました。

その際のベアリングは独自（ネット通販系）で取った社外新品を使用していました。

後で入手した修理書で調べますと、純正品は 磁気センサーローター内臓のベアリングで、装着時に方向性が定められています。

このタイプの車速センサはベアリングに内蔵されてる永久磁石が回転し、磁界が変化することで車速を検知していて、ベアリングの取り付け方向を反対にしてしまうと磁界が変化せず、センサが信号を出力できなくなりタイヤが回っていないと判断してしまいます。

 

やはり、その社外品は磁気センサーローター内臓タイプではないことが判明。

さらに装着の際、方向性も未確認でした。

磁気センサローター内臓のハブベアリングに交換し方向を合わせるとメーター表示は正常になりました。

 

通常の部品商経由での仕入れであれば、おそらくＡＢＳが装着されてる車輌かどうかの問い合わせがあったと思うし、注意書きが同封されていたはずなので気づいたかもしれない。

ネット通販でも、かなりの種類があったと思うが実際つかえる種類はひとつしかないのである。

しかも、品質も不正確だし、メーカーものだったとしても金額が安すぎて信用できない物まであったりします。

 

自分の車の整備ならまだしも、お客様の車であれば、なお更、注意が必要です。

 

またはじめから、このベアリングの知識を持っていて、純正品か同等品の社外新品を使っていれば、このようなトラブルに、ならなかったと思います。