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ささいな整備ミス

整備備忘録
お客さんが来店し、エンジン付近から変な音がするので見てほしいとのこと。
お客さんと同乗して試運転すると、発進時にカラカラ音がしていてエンジンが不調だったので、水温計を見るとH位置を示していて、明らかにオーバーヒートの状態だった。
工場に戻ってから異常を感じた時の状況を詳しく聞くと、異常にきづいたのは1週間ほど前で、2日前には異音とともにエンジンが止まってしまい始動もできなかったとのこと。
原因はオーバーヒートによるエンジンの内部破損だったが、それを引き起こしたのはラジエーターリザーバータンク内の給排ホースの脱落だった。
原因の推移はホースが何らかの事情でタンク内に脱落しているのでエンジンとラジエーターからは冷却水がリザーバータンクに入ってくるが再びエンジンに注入されることはなく空気のみがエンジンに入ってしまう。
それが繰り返されることで冷却液不足になってオーバーヒートを起こしエンジンの内部破損に至ったと考える。
このユーザーは今迄、同社で整備をしていたが、今年の車検は全国チェーンの激安店で受けていた。
その民間車検工場の指定整備記録簿にはクーラントの劣化と記載されていた。
ラジエーターリザーバータンク内の給排ホースは本来抜けるはずはないのだが、ホース脱落部の状態から、かなり前に脱落したと思われた。
車検時には間違いなく点検されているはずなので、何故気づかなかったのかが悔やまれる。
なお、リザーバータンク内の冷却水は9割ほどが残されていた。
この量だと目視で見た時、ラジエーター内の量が減っているとは考えにくくなるだろうし、暖気後だと、うかつにラジエーターキャップを開けるわけにもいかない。
おそらく車検の整備も流れ作業だと思われるので見逃した状況が見当つきます。
このタイプのリザーバータンクはタンクキャップにラジエーターからのホースがついており、キャップをはさむようにしてタンク内にホースが入っている。
タンク内には上から吸排するタイプなので今回のような事が起こってしまった。
この上から吸排するタイプは最近の車ではあまり見かけなくなってきている。
今はリザーバータンクの下側にホースがついているのがほとんどで、タンク内の冷却水が空にならない限り、今回のようなことは起こらなかったはずです。
もちろんキャップにもホースはついておらず回して開け閉めする蓋になっている。
もし、車検担当者がこのようなことをしらないで点検整備していたとしたらホースがついていないリザーバータンクのキャップをみても気に留めたりはしないだろうと思った。
ちなみに、この車は平成11年車の軽自動車である。