タイヤ交換 おすすめ電動工具と使い方
【タイヤ交換】 自分で交換 便利な電動工具で脱着を楽にする
DIY作業では,タイヤを着脱することが多い。
タイヤ1本当たり4~5本のホイールナツトをゆるめる前には,ジャッキアップとリジットラックの設置という準備作業が必要。
これをしなければ,本来の作業が始められない。
ホイールナットをクロスレンチでゆるめたり締めたりする作業は,意外に体力と時間を要するもの。
体力を本来の作業のために温存しておこうと,電動式インパクトレンチを試してみた。
おすすめ電動式インパクトレンチとは?
インパクトレンチというとエアコンプレッサを接続して使うイメージがあるが,ここでお勧めするものはシガーライターソケツトから電源を取る電動式。
3~4回のインパクトで80~120Nmのトルク(回転力)を持ち,17×19mmと21X23mmの2種4サイズの黒染めソケツトが付属されている。
一般市販価格は8000円くらい。
また、デジタルインパクトレンチというものもあって、出カトルクのセツト値が本体の上側に3桁の数字で表示される。
表示画面の下にある2個のボタンでトルクを設定することができる。
トルクは前述したタイプと同じ80~120Nmで,重量はわずかに重い。
付属するソケツトは17·19·21mmの3サイズのデイープタイプ。
価格はオープンだが,9800円ほどで市販されている。
DIYではリフトを持たない人がほとんどなので,ジャッキでボデーを上げてリジットラックで固定した状態で作業することになる。
クロスレンチやブレーカバーで強く締めっけられたナツトやボルトは,ゆるめるときにリジットラックだけで固定されている不安定な車を揺らして危険なこともある。
DIY作業がはかどらない原因のーっに,ボルトが堅くてゆるまないということがある。
ここでインパクトレンチを使えぱ,不安定な状慇の車を揺らす危険から逃がれられるし,体力の消耗も軽減される。
一般的に,インパクトレンチは前述のようにエアコンプレッサを使用するタイプが多用されているが,常設工場以外では1.5~2馬力のエアコンプレッサと配管や耐圧ホースを車のある場所まで引きまわさなければならない。
これらの準備がめんどうなのだ。
今回の外部電源方式の電動式インパクトレンチはシガーライタープラグ(DC12V)を使うので,車のエンジンさえ回しておけば14V状態を保って使える。
作業を行なうときに車の駐車位置の制約も少ないし、外出先の路上での緊急作業でも扱いやすい。
電動インパクトレンチ 使い方
操作は簡単。
まず,車のエンジンを始動して,シガーライタープラグから電源を取る。
本体のグリップを握って,トリガースイツチのL(ルーズ:ゆるめる=左回転)とT(タイト:締める=右回り)の表示をまちがえないように押す。
車によってはそれぞれが反対まわりの車もあるので,事前に確認しておこう。
ホイールをはずすときは,電動式インパクトレンチの先端のアンビル(ソケットを装着する部分)に,自分の車のホイールナットに適したソケットをしっかり差し込んでから使う(19または21mmが多い)。
このときに差込み不足だったりアンビルのボール部分がソケツトの凹部に入っていないと,回転中にソケットがはずれてボデーやホイールを傷っけるおそれがある。
アンビル部にソケットをきちんと差し込むことが,インバクトレンチを扱ううえで特に注意したいポイントだ。
最近多く見られるアルミホイールのナットの穴径が小さいタイプは,その穴のなかでソケツトが十分に回る隙間があることを,ソケットを入れて事前に確認しておきたい。
ホイールナツトをゆるめるには,アンビルにセツトしたソケツトがホイールに対して直角になるようにしてホイールナツトの穴の奥まで差し込み,トリガースイツチのし側を引く。
すると,モーターが回転を始めて約1~2秒の空転の後にガチンというインパクト音が生じる。
トリガースイツチをそのまま引き続けると再びモータが回転してインパクトが発生し,これを3~4回繰り返してホイールナツトがゆるむ。
その後は,軽く回ってホイールナツトがはずれる。
12kgmで締めつけられたホイールナットでも,およそ3秒半ではずすことができた。タイヤ1本当たり5本のナツトも30秒もあれぱはずせるので,タイヤ4本でも2~3分ではずせる。
締めつけるときの注意点
ナットを締めつけるときの注意点は,インパクトレンチを使う前にホイールナツトをハプボルトに噛ませて2~3回転ほど手で軽〈ねじ込んでおくこと。
これを行なわずに,インパクトレンチのソケツト内部にホイールナット を入れて締めつけてしまうと,ねじ山が不適嵌合になる。
そのままインパクトレンチを作動させると,ハプボルトとホイールナット が焼きついてしまう。
さらに注意したいのは,貫通していない袋ナット には内部に砂や泥の粒子がたまっていることがあること。
これを除去せずに締めっけてしまうと,ホイールナット 内部にあった砂などの粒子が圧縮されてスレツドの空気通路に押されて誌まり,ホイールナット が回らなくなることがある。
はずしたホイールナット のなかには,洗浄液を吹き込んでおくとよい。
出カトルクの設定ができるデジタルインパクトレンチでは,出カトルクをセツトしないで仮締めを行なう。
すべてのホイールナット で1回インパクト音が出るまで仮締めをしてから,出カトルク値表示画面の下のUPまたDOWNのボタンを押して,トルクをセット。
ホイールナット にインパクトレンチをセツトしてT側のトリガースイツチを引くとガチンと音がしてインパクトが生じ,画面に出カトルクカ表示される。
そのままトリガースイツチを引き統けると,数秒後にインパクトが生じて,画面に加算された出カトルクが表示される。
さらに卜リガーを引き統けてトルク設定値を超えると,モータが停止して設定トルク表示画面で「コ」というマークが左から右に移動して,セツトしたトルクでの締めつけが完了したことを知らせてくれる。
逆ねじの場合は,この機能は使えない。
設定したトルクはインパクトレンチ側のもので,あくまで目安。
ホイールナット やボルトおよびテーパー面の滑り具合で締めつけトルクは変化する。
締めつけトルクを安定させるには,ねじ山などに潤滑剤を塗布しておくことが必要。
ねじに油を塗布すると,滑ってゆるみやすくなると考えられているが,これはまちがい。
締めつけトルクを管理するボルト類は,ねじ山を洗浄して潤滑剤を塗ってから締めつけることが基本だ。
潤滑剤を塗っていないボルトは,インパクトレンチで締めつけトルクを10kgmに設定しても,異物が噛んでステイツクすると設定トルクに到達しないことがあるからだ。
デジタル表示式はトルク設定ができないが,インパクト回数とトルク値の関係は同じだ。
どちらも専用ケースに収められており,DIY用として車庫に保管するのも良いが緊急用車載工具としてトランクルームに入れておくのにも便利なものだと思う。
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