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冬の塩害から車を守る対策!下回りメンテナンス

冬の間,車のボデーのメンテナンスは塩害による錆の防止対策がメインになる。

最近は特に積雪量が多くなった地域もあるので、道路に撒かれた凍結防止剤はボデーの錆を発生させる原因になるので,十分に洗浄除去しておくことが重要。

高速道路で年間に使用される凍結防止剤の量は20万トンといわれ,凍結防止剤は路面が濡れていて気温が0℃以下になるときに使用される。

この凍結防止剤は塩化ナトリウムが圧倒的に多く,車のボデーには塩害となるもの。

欧州車では,グレードを問わずにホイールハウスやフロアパネルとサイドシルまわりに入念な防錆処理が施されている。

そこで今回は,ホイールハウスなど、下回りの防錆処理対策の施行を紹介したい。



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下まわりの洗浄と錆対策

コイン洗車場の高圧噴射水で洗うのがらくだが,タイヤなどをはずしての作業は禁止されていることが多いので,自前の駐車場でジャッキアップしてタイヤをはずして作業を行なった。

プレーキローターは防錆処理が施されていないことが多いので,今回に車輌のプレーキローターも雪道の凍結防止剤の影響でみごとな赤錆が発生している。

だが錆が新しければ,ステンレス製のワイヤブラシで簡単に落とせる。

ワイヤプラシで錆を落としたら,400番のサンドペーパーで磨いて脱脂剤で拭き,耐熟塗科を吹きつければ,プレーキローターの防錆対策は完了だ。

塗装するときは,耐熱塗料の色をつけたくないところ(塗装されたブレーキキャリパーやローターのバックプレート)はマスキングしておく。

塗装後,10~15分で表面が乾燥するので,タイヤは取り付けられる。完全硬化するには,20℃で24時間ほど必要だ。

プレーキパーツは高温になる部分なので,錆も発生しやすい。

ブレーキローターのハット(ホイール取付け部)と外周は700℃くらいに対応する耐熟塗料を使って防錆処理をしておく。

排気管も外板部分に塩化ナトリウムによる錆が生じやすいので,ブレーキローターと同様の処理を行なっておくとよい。

防錆処理を行なうことで,腐蝕の進行が抑えられて,寿命を1-2年延ばせる。

耐熱塗料は極力薄く吹きっけることが,耐久性を高くするポイント。1回吹きにとどめておくのがコツといえる。

使用した耐熱塗料は米国製品で,700℃の耐熟性能だけでなく,極めて密着性が高い。

足まわりやホイールハウス内は,高圧水で洗浄した後にロアアーム/ダンパーばねなどをスチームクリーナで汚れを分解して落としておくと,錆の原因物質である塩化ナトリウムを除去することができる。

下まわりの洗浄に使う洗剤として,ブレーキクリーナ/ホイールクリーナ/エンジンクリーナ(フォーミングクリーナ)などをスプレーしてから,洗車用の可変ノズルを使って水圧で汚れを落とすのがよいが,それでも落ちないときは,小型の堅いブラシを併用して汚れをかき落とすようにする。

スチームクリーナ

今回使用したタイプは,1.4 ℓの水を沸かして30分くらい連続使用できる,DIY用としては最大級のもの,エンジンルームやラジエータフィンなどの細かい部分の汚れがきれいに落とせる,便利なクリーナだ。

スチームの高圧噴射と110℃の高温で汚れが分解されるので,微量の水で十分な汚れ落とし効果が得られる。

先端に小型のプラシを装着すれば,金属や樹脂部品の汚れが短時間で落とせる。

スチームがなくなると洗浄したパーツの表面は水分の残りが生じないので,エアブローの必要もない。スチームの圧力が強いことや連続使用時間が長いこと(水のタンク容量が大きい)が車に使う場合の必須項目なので,スチームクリーナを購入するときの参考にしてほしい。

ホームセンターなどで1万5000~2万円ほどで販売されている。

シャシコート

フェンダー内のインナーカバーは樹脂製なので防錆対策の必要はないが,その下や周囲とフレームやエンジンブロック周辺は金属性なので,塩化ナトリウムが残らないように十分に洗浄しておきたい部分。

アンダーコートや塗装で防錆対策は施されているが,走行中の飛び石などで細かい傷が生じている。

フオーミングクリーナなどの洗剤やスチームクリーナを使って洗津して乾燥させてから,シヤシ用の防錆塗料をスプレーしておくと、錆の発生を長期間抑えることができる。

シャシ防錆塗料は,種類がたくさんあるのだが、無色のクリアがラインアップされているので,使いやすい。

420ccのスプレー缶で,1.5m'(1回塗り)が可能。成分は水性タイプのアクリル樹脂だ。

強力な耐水クリア塗料で,錆や塩害をシャットアウトすると書かれている。

有機溶剤が使われておらず,色もないので,シヤシ防錆剤として最も気軽に安心して使える。

ボデーパネルは,タイヤからの跳ね上げで塩化ナトリウムが吹きっけられて,錆を生じる。特に注意したいのはサイドシルの内側とドアの袋部分で,シャシ防錆塗料を内部に向けて吹きっけておくことで腐蝕を抑えることができる。


アルミ部品で最も大きいのがホイール。

表面はアルマイト加工(陽極酸化被膜)が施されていることが多いが,ホイールの裏側にはブレーキパッドの摩耗粉がたまやすい。

そこに塩化ナトリウムが染み込むと,アルマイト処理されていても,ピンホールから塩分が侵入してしまう。

現在主流のチューブレスタイヤでは,最悪の場合はエア漏れの原因になった例もあり,安全面から油断できない問題に発展することも考えられる。

その対策として,まず,雪道を走った後はタイヤをはずしてホイールの内側を入念に洗剤で洗っておこう。

そのうえでシャシコートクリアを吹きつけておくことが,アルミホイールの錆による最悪の事態の予防になる。

【まとめ】

軽量化のためにサスペンションのロアアームやクロスメンバーにアルミが多用される最近の車では,使用状況によってかなりの塩害を受けるおそれがあるので,6カ月ごとの下まわりの洗浄と同時に,リフトアップしてシャシの錆やアルミ材のパーツに錆が生じていないか点検することをすすめる。

自動車メーカーでは,サイドシル内とドアの袋部分に防錆ワックスを注入することで,長期間の防錆効果を維持する方法を取っている。

シャシコートなどの防錆スプレーを塗ることは,雪道の凍結防止剤から車を守るのに効果的なメンテナンスになります。

>>下回り塗装の必要性についてはコチラから<<

メンテナンス

Posted by sawapon